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街にクジラがいた風景

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 現在日本で捕鯨が行なわれているのは、宮城県牡鹿町、千葉県和田町、和歌山県大地町、そして北海道網走市の四カ所である。北海道唯一の捕鯨基地である網走は、つい三、四〇年前まで大型捕鯨、小型捕鯨のいずれもが盛んで、獲物を曳いた捕鯨船が港に戻ると、
合図の「ポー」と呼ばれた汽笛が鳴って、人々は港の解体場に賭けつけた。

 そこではクジラの解体作業に従事する人たちと、それを見物する市民たちの間に一種濃密な一体感が醸し出される空間があった。
まだ豊かでなかった時代を生きる人々の、最大の動物クジラに対する畏れと愛情―。

 私はこの街で九〇年も続いた捕鯨文化をつぶさに記録すべきだと考え、僅かに残された資料と「聞き書き」という手法を用いて、大正から昭和に至るオホーツクの捕鯨基地時代の網走の再現を試みた……。

菊地慶一著
四六判/280頁/並製
ISBN978ー4ー902269ー07ー4 C0036
発売日:2004年5月

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